ココとの出会い01 |
犬を飼うと決めるまで 話はココを飼う数ヶ月前にさかのぼる。 2004年の4月、私ククの実家で飼っていたラブラドールレトリバー(黒)モモが癌で11年半の生涯を閉じた。あだ名は「バカモモ」で、(笑)老人になってもさわれ、遊べと巨体で迫ってきては家族の体力を消耗させてきた。 強靱な体力の持ち主で常に元気いっぱいだったが、めずらしくエサを残したので病院に連れて行くと「余命1ヶ月」と宣告されたのだ。 家族のショックは予想以上だった。 今まで母が泣いている姿を見たことがなかった。どんなに感動的な映画を見ても、 悲しいことがあっても泣いたことがなかった。父なら母の涙を見たことあるかもしれないと、「ママが泣いたの見たことある?」と訪ねたことがあったが「うーん、ないかもしんない。」と答えたのでその強靱な精神力は驚愕に値するところだろう。 ちなみに私は涙もろい。全然知らないスポーツ選手の引退セレモニーをニュースでちょっと見ただけで泣ける。 話は横に逸れたが、その母がボロボロ泣くのだ。しょっちゅう泣くのだ。 父も数年前に母(私の祖母)を亡くしているが「おふくろが倒れた時よりもショックだ。」と言った。 私もボロボロ泣き、母の涙を見てさらに泣けた。 妹は「モモなら大丈夫だよー」とモモの強靱な体力を信じ切っていて、ケロリとしていた。 モモの癌は心臓の周りの膜にできるとてもめずらしい癌で、ついてないことに抗ガン剤が効かない。しかし他の薬が効いてすぐに元気バクハツとなり、またもや家族の体力を消耗させる毎日が続き、妹は「私の言った通りじゃん」とえらそうだった。 宣言された余命期間も過ぎ、「このまま長生きするんじゃない?」と思いかけた。がしかし急に具合が悪くなって、癌発覚から1ヶ月半でこの世を去った。 超元気なココを見ている私達家族は、病院に行くたびに、先生に確認するが治ることはないと言われていたのだ。「好きなものをほしがるだけあげてください」と言われていたのだ。私達に心構えを作らせるために「あと半月ですね」とカウントダウンをしてくれていたのだ。 救いだったのがとても信用できる良い先生に診ていただけたこと。 その先生に「心臓に水が溜まってこんなに長生きした子は見たことない」と言ってもらったこと。 余命1ヶ月と言われたがその1.5倍も生きてくれたこと。 病院の待合室ではいつも他の飼い主さんに毛並みがツヤツヤだと褒めて貰えたこと。 ラブラドールの寿命は10才前後で、モモは寿命だったこと。 亡くなる前日まで歩けて、自分でトイレに行けたこと。 今でも母はモモの話になると泣くし、犬の感動話にはめっぽう弱くなってすぐに泣くようになってしまった。一度見てみたいとずっと思っていた母の涙、出血大サービス。供給過多で価値がかなり下がってしまった。 モモ。亡くなる数週間前。 そんなこんなで1ヶ月後、子犬と触れ合う機会があった。 私の祖父が急に亡くなったのだが、その亡くなった日に一緒に住んでいる犬好きの叔父がフレンチブルドックの子犬、マトを買ってきたのだ。(いかに祖父が急に亡くなったかおわかりいただけるだろう) 祖父が亡くなったと聞いて慌てて祖父の家に行ったら、マトが出迎えたもんで私も驚いた。 1週間ほど葬儀の準備やらなんやらで出入りしていたので、その間ずっとマトと触れ合っていた私はメロメロになってしまった。 祖父が亡くなるという悲しい事実をマトは和ませてくれた。 犬がまた飼いたくなった。 マト。パイドの男子。 なんか思いもかけず悲しいお話になってしまったな。 つづく。 |
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